6.具体的な練習内容の一部

 

1.トップページ
2.スタニスラフスキー・
 システム、メソッド演技

   @いかにして感情に
  刺激を与えるか

3.クラスの特徴
 @クラスの雰囲気
 A失敗していい
 B躊躇を取る
 C「ちょっと適当」
 D自由、衝動に身を任す
 E難しい作品をやらない
 F演技の練習をやって  も演技は良くならない
4.目指している演技
 @日常と変わらない
5.演技に必要な要素
 @リラックス
 A集中力
 B注意の方向
 C想像力
 D信じる力、影響される
  心身

 E役の生活感
 F感情開放
 G超課題
 H捨てる事
6.具体的な練習
 @リラクゼーション
 A五感の記憶
 Bプライベートモーメント
 Cアニマルエクササイズ
 D架空対象行動・
     身体的行動

 Eインプロビゼーション
 F子供
 Gスケーティング
 H正当化された
  無言のエチュード

7.役へのアプローチ
 @まず最初に
 A内面の準備
 Bエクササイズ
 Cセリフについて
 Dリハーサル
8.よくある質問、失敗例
9.我々の姿勢
10.最後に
11.体験(2回)・入会・日程表
12.稽古場所

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リラクゼーション

リラックスの意味や効果はここをクリックしてください。
今まで述べたように感情を直接操作する事は出来ません。緊張というのも感情と同じ心の問題で直接操作
する事はできません。
では、どうするのかというと、例えば、お風呂に入ると身体は緩みます。そして、心もほぐれていきます。
そのように、心と身体は密接に関係・影響しあっているので身体をリラックスさすことで心にも影響させよう
ということです。

まず、イスに座り、寝ようと思えば寝れるように姿勢をとり、重力を感じながらイスに身をまかせます。
次に、最低限の力で身体をほぐすように動かしていきます。漠然とでなく、緩めたい箇所を意識しながら、
大雑把でなく細かく、円や8の字を描く感じでなめらかに動かします。
「アー」と無理のない声をだして、のどを緩めます。
顔もクシャクシャで口をポカーンと空いて、不細工で間抜けな顔にしていきます。もちろん、そんな顔で演技
をするのではありません、あくまでリラクゼーションと言う訓練の時だけです。しかし、そういう力の抜けた顔
でリラックスできるようになると、日常から無駄な力の入ってない自然な表情になっていきます。逆に言うと澄ました顔や眉間にしわのよっている顔は頭で何かを考えていて、身体に注意が行っていないので身体は緩んでいきません。

よくある失敗例は、声も出さず、身体も動かさないでほとんどジーッとしていることです。
ただ、ジーッとしているだけでも少しはリラックスはしますが、それでは日常的なリラックスで深いリラックスにはなりません。集中力の伴ったリラックスでないと、深くもないし、意識的に導かれたものでないので、演技をしだすとすぐに緊張につつまれ対処できなくなります。

緩めたいところに意識を持っていき、最低限の力でなめらかに動かし、そして力を抜いて、緩んだ感覚を味わいながら、隣の筋肉を連動さして緩めていく。これの連続で、深いリラックスに入っていきます。
力を抜いて、連動さしていくのは最初は難しいと思いますが、やりこんでいくと、ただ動かしてるだけよりより深いリラックスに行くのが実感できます。
緩んだ感覚を味わう事を忘れてしまう事もあります。それは、頭で観念的になったり、一生懸命やってしまってたり、リラックスしなければとプレッシャーになってるからです。あせることなく、ゆっくりと気持ちいいのを楽しみながらやれば、身体も心も緩んできます。

そうやって心身共に緩んでいくと、心のワクが緩み、たまに何かの感情が勝手に来て急に「ワーッ」と号泣することがあります。理由は、ただ心が泳ぎだして普段触れないところに触れたからです。
少しずつ抑圧されていた感情を解き放つ事によって、反応しやすい敏感で繊細な心身をつかみ、自然な感情を演技で使えるようになっていきます。


五感の記憶

メソッド演技の一番の基本になる練習です。しかし、リラクゼーションと同じで大きな誤解を受けています。
必要性がわからないとか、やったけど効果が無いとか。
必要性は、「想像力B」で書いたように、想像で場所が出来ると、その場所特有の雰囲気で心が影響されや
すいのと、舞台に出てるという気分から、役の生活をしている気分に変わるからです。
他に、アニマル・エクササイズという、動物からキャラクターを作る方法でも絶対に必要です。
上記で書いたのは、実践で使う方法ですが、基本の訓練(下記のコーヒーなど)で、想像力・集中力・注意
の方向・リラックス・信じる力などの非常に良い練習になります。

まず、最初の練習として、五感で想像して「コーヒー」を飲みます。
もちろん、本番ではコーヒーぐらい本物を使います。しかし、練習材料としては、熱さ・味・香りなど刺激が
強いコーヒーは自分で出来てるかどうか実感するにはいい材料です。

【まず、見てみる】
自分からの距離は?大きさは?形は?デザインは?色は?把手の位置は?ツヤは?材質は?
コーヒーの量は?湯気は?
【次に持ってみて】
触った感じは?把手に指を入れた感じは?重さは?力の入れ具合は?こぼさないように何に注意する?
【飲んでみて】
味は?香りは?熱さは?唇の感じは?すする時の音は?
などに注意してやってみます。

効果がないと言う人や、上手くいかない人は想像力や集中力を一生懸命やりすぎていて感じる余裕が無く、
注意の方向がぎこちなくなり、当然リラックスが悪く、五感でなく頭で感じようとしているからです。
頭でやろうとしている限りいつまでも進歩はしません。
まず、頭になっているということをはっきりと自覚するところから始める事です。
あと、リアリティーの受け取り方(認めてあげ方)をまったく無視してやっているからです。

・つまり、100%のリアリティーを求めるのでなく、1%のリアリティーに気付いて認めてあげる。
・創るのでなく、もうそこにコーヒーがある。
・否定を入れない。
・一生懸命やるのでなく、リラックスしながら軽く注意を傾ける。

ということに注意してやると、想像力・信じる力はどんどん大きくなり、「なんとなくコーヒーがある感じがする」
となり、信じる力・影響される心身のスタートラインに立てます。
この感覚が、演技で想像上の人間関系・事件を信じる感覚と同じなのです。ですから、演技の癖はだいたいこの練習に表れます。いいかえれば、この五感の記憶が良くなっていけば、演技も自然と良くなる事が多くあります。

コーヒー以外に、ひなたぼっこ・雨・シャワー・お酒・痛みという、基本的なものから、心理的なものに関係してくる場所(想い出の場所・プライベートモーメント)・役の過去の出来事・アニマルエクササイズなど、
五感の記憶はいろいろな物に使われ、メソッド演技の基本中の基本です。


プライベートモーメント

五感の記憶の難しい部類に入る、エクササイズです。
やり方は五感の記憶を使って、想像で自分の部屋を作るのです。
想像の自分の部屋を深く信じ、影響されたら、自分の部屋なので緊張する事も無く、リラックスし、個人的
なフィーリングに入っていきます。
そのフィーリングのまま舞台に出れば客の抑圧も感じず、俳優自身の深い情緒・感情が自然とあふれや
すくなります。
プライベートモーメントとは訳せば、「個人的な時間」です。
自分の部屋を作ることによって個人的な時間のフィーリングに導いていくのです。

次は、個人的な行動から個人的な時間を創っていきます。
アクターズスタジオのメンバー、ミッキー・ロークがまだ売れていない頃、なかなか演技が上達しなくて、
リー・ストラスバーグはミッキー・ロークに「プライベートモーメント」で、靴磨きをするように言いました。
ミッキー・ロークが子供の頃、貧乏で靴磨きをして生計を立てていたのをストラスバーグは知っていたからで
す。ミッキー・ロークはその頃の事を思い出したくなかったのでやりたくなかったのですが、ストラスバーグが
言うからやりました。五感の記憶で靴磨きをやっていくのです。
すると、思い出したくなかったその頃の情緒・感情が目くるめく表れてきました。
今まで、どうしても深い感情に入っていけなかったのは、抑圧された大きな感情(トラウマ)があったので
それが他にも影響して感情全体が表れにくくなっていたからです。
抑圧された感情のままでは、演技では使えません。開放していかないと。
顕在意識の演技から潜在意識の演技に。頭の理解から、心の叫びに気付ける演技に変わったのです。


アニマル・エクササイズ

アニマル・エクササイズは、動物を観察し、外的特徴を自分の身体に浸透さしていき、少しずつ人間ぽくしていって、個性の強いキャラクターを創っていく方法です。
マーロン・ブランドが「欲望という名の電車」「ゴッド・ファーザー」の役ををゴリラから、ダスティン・ホフマンが「レインマン」の役ををリスから創ったと言われています。

基本的な「五感の記憶」の訓練は、実際に体験したことのある物や場所(コーヒーや部屋など)を五感を使って創っていくのですが、このアニマル・エクササイズは体験したことのない五感を想像で創っていく事になり、かなり高度ですので初心者の方にはお勧めしません。変な癖がついてしまうからです。

例えば、ダチョウを例にとってみましょう。
人間とダチョウでは身体のつくりがまったく違うため、想像力を駆使してダチョウのように立ってみましょう。
人のお尻がダチョウの黒い毛で覆われた胴体、人のお尻以外の胴体がダチョウのグレーの毛の首。肩から
出てる人の腕は、ダチョウでは黒い胴体から出てる羽と正当化してみましょう。ダチョウの顔は上下に押しつぶされたようにグシャンとしていて、くちばしがあります。それも正当化しながらイメージしてみましょう。
つまり、リアルなダチョウのぬいぐるみを着ていると想像するのです。
そのぬいぐるみを着たまま、じっとして、自分の身体に問いかけます。「黒い胴体の感じはするか?グレーの首の感じはするか?顔もグシャンとしていてくちばしがあって、目が横についてる感じがするか?」など。
それを、頭でなく身体の感覚で感じるように注意します。
「胴体の感じは?」は、感じないにしても意味は分かりますが、「黒い感じ?」って見当もつきません。
それでも、想像のぬいぐるみを着て動かないでジーッと感覚を味わいます。
「なんとなく黒い胴体」って感じがするまで動いてはダメです。
もちろん、能力差があるので一概には言えませんが、毎日1時間ジーッとしているのを数ヶ月やります。
数ヶ月と聞くと「辞めた!」となる人がいます。
例えメソッドでもちょっとやっただけですぐ良くなるものはありません。情熱を持って根気強くやらなければ。
そのかわり、成果は大きなものです。

「なんとなく」信じやすくなってきたら、少し動いてみます。「なんとなく信じれる感じ」を殺さないように優しく。「なんとなく」が無くならないのなら少しずつ動きを大きくしていき、可能な限りダチョウそっくりにしていきます。
最初は内面的な事はまったくほっておいていいです。完全に外面的な方からのアプローチですから。
しかし、続けていくと感情というほど大きなものでなく、小さなフィーリングが変わってくるのに気がつきます。
フィーリングと言っても、ダチョウの気持ちが分かるのではありません。普段の自分の感覚と違う感じになることです。弱々しい動きの動物をやっていたら、弱いフィーリングが来やすいかもしれませんが、決め付けてかかってはいけません。イメージに縛られて、自由に感じれなくなるからです。

動物のように動いてもフィーリングが保てるようなら、少しずつ人間ぽくしていきます。
そうやって、妙なフィーリングのある強烈に個性のあるキャラクターを創造します。


架空対象行動・身体的行動

演技の良くない例をある分け方にすると二つに分かれます。
心理的には何も無く、外面だけをそれっぽく振舞う、お芝居くさい演技。(最近はやりの小劇団にいる人はこういうタイプが非常に多いです)
逆に、心理的なものを掴もうとして、結局掴めず頭でっかちになって、まったく行動が伴っていない演技です。
当然、両方とも間違いで演技に対しての考え方・アプローチを大きく変えないとなりません。
心理的なものを掴もうとするのは良い考え方だと思われる方がいると思います。もちろん、演技には、心理的なものを必要とします。しかし、手荒に直接、心理を掴もうとしても掴めませんし、何よりそういう人は意識が自分の心理にばかり行っていて、相手役と交流したり、人間らしい行動が出来なくなります。

心理・身体的(感情・行動)が自然でリアリティーのある演技を私たちは目指します。
そのアプローチとして、自分の過去の体験と役を照らし合わせて共感できるとこを見つけたり、想像力で状況・関係などを作って見つけたり、五感の記憶で場所を作って見つけたりする他に、身体的行動で見つけることも出来ます。
身体的行動は、スタニスラフスキーシステムの基盤になるもので、架空対象行動は身体的行動をもっと細かくした練習方法です。
身体的行動は、心理的なものからでなく、外的行動から内的な生活感(情緒・リアリティー)を作り出すものなので、頭でっかちになる事を防ぎ、行動が伴った演技に導いてくれます。

舞台で自然な演技をするためには、役に与えられた舞台上での課題を遂行する際、日常生活でその課題を遂行する時と同じように、「注意の方向」を使い分ける必要があります。日常生活でちゃんと行動しているのは、行動する前にある対象(物・事件)に意識(注意)が行き、思考し、判断するからです。演技でもちゃんと意識を向ける事です。パターンとして行動を覚え、散漫な集中力や慣れで意識が行くことなく行動してしまったらその瞬間に内的なものはすべてなくなります。注意の方向の伴った一貫した論理的な行動が舞台上の気分から、役の生活の気分を作ってくれます。
つまり、役や状況によって一概には言えませんが、基本的には細かいとこまで日常と同じような人間的感覚で演技をしろということです。

例えば、日常、自分の部屋でトーストを食べる時、パンのカスで部屋を汚さないように、お皿の上でパンをかじるようにしたり、ちぎったり、あるいは食いちぎる時にカスを吸いながらちぎるかもしれません。もっと言えば、パンのカスが床にどんどん落ちても「後で掃除しよう」や「これぐらいならほっておこー」など、なんらかの意識は行くものです。しかし、演技の時にはパンのカスに意識を行かすのを省いてしまっています。緊張が日常の「注意の方向」を鈍らしてしまっているのです。そのためにリラックスが必要です。あと、無意識にやっていた日常の行動を、意識的に「行動の論理」として掴みなおす必要があります。
たしかに、パンのカス自体は演技に大きくは関係ありませんが、そういう、小さな注意の方向・感覚の積み重なりで生活感は生まれ、生活感という基盤が出来て初めて自然と沸き起こる感情が生まれます。


インプロビゼーション(即興)

芝居を作りあげていく過程で、まず台本を読み合わせて、次に立ち稽古に入るのが一般的になってると思います。
しかし、それではセリフ・ストーリーというあらかじめ用意されたワクにちょうど合うような感情・リアリティーを入れるという作業になってしまいます。
しかし、用意されたワクに合うように感情・衝動・思考を当てはめようとするのは不自然な事で、自由さ新鮮さ深さ微妙さなどを潰してしまいます。
では、どうすればいいのかというと、大体の筋だけを頭に入れて始めるのです。セリフは自分の普段の言葉を使います。あとは、即興。感じたままやればいいです。筋どおりになる必要は全然無いです。

その時、「感じたまま」という為には、頭でストーリーを作ろうとするのでなく、状況を把握して五感で感じる事です。ちゃんと相手の表情や動きを見て、セリフを聞くことによって、あなた自身の行動・思考・判断・衝動・感情が少しずつ生まれます。もし、状況把握・超課題が正しければ、今あなたのおこなった演技はある程度の真実感があります。しかし、状況把握・超課題はそう簡単に見つかるものではありません。それを深く見つけていくことです。それがスタニスラフスキーの「もし、あなたが役と同じ状況にいたらあなたなら何をする?」です。これによって、あなた自身の本能を動かしていくのです。

ここで、難しくなるのは、「感じたまま」のために「感じる」ことです。
その練習方法として、役や作品などまったく関係なく、ただ稽古場に立っていて、想像の五感(景色・音など)や実際の五感に注意を持って行き、あとは気の向くままに動いたり、しゃべったりするのです。
意味の無い動きやしゃべりでいいです。周りから見たら、ただの一人遊びです。しかし、その一人遊びも想像物や五感に意識が行ってそれに影響されていないと、イキイキさは無く、俳優自身も楽しくなくすぐ飽きてしまうでしょう。
いろいろな想像が生まれ、衝動・気分が生まれてきます。躊躇無く、その衝動についていくのです。
俳優は常に自由であって、ワクの中に閉じ込められてはいけません。
この感覚がないと、演技は成り立ちません。この感覚を楽しめないと演技の楽しさは掴めません。
この練習が嫌いだという俳優がいますが、それは演技の時、本当の自分自身の表現を使おうとせずに、何度やっても同じ演技しか出来ない紋切り型で表面的なフリでこなしてきてた人です。

自由さが大事なのは分かったが、それだけでは役の求められてるものにならない、と心配になると思います。
それについては、「役の準備」で書きます。


子供

上のインプロビゼーションの応用です。
子供は、俳優にとって必要な要素をたくさん持っています。
素直さ・躊躇の無さ・好奇心・面白味を見つける、など。

仮面ライダーごっこ・お菓子の国・トトロの国・宇宙などなんでもいいです。
途中で、動物になっちゃってもいいです。とにかく、想像を楽しみながら、感じてやりたいようにやって、好奇心
や衝動に身も心も預けるのです。冷静な子供ではなく、大げさでバカげた子供を楽しんでください。
そうやって、演技の時に型にはまるのでなく、いきいきとした衝動・感情が出やすい状態、自由な感覚を身につけていきます。


スケーティング

俳優は、ものすごく謙虚でないといけません。そうでないと、役の叫びに気付いて上げれないし、
役と同じ目線にならないと心理的なものを感じて表現する事は絶対にムリだからです。
役の状況・気持ちを理解してあげて共感できるところを見つける事です。
「自分のこんな顔、こんな声、こんな身体、こんな才能しかないけど、これを使って何とか役の気持ちを表現
してあげたい」俳優がこういう心理状態になれて、やっと役の細部に気付いてあげれて、「想い」を持てます。
技術以前に大事なことです。

しかし、一方で俳優は誰よりも調子に乗りやすく、自惚れに近いぐらいの自信も必要です。でないと、
客の圧力にまけ、心が縮こまり感情が溢れてくるようにならないからです。
しかし、「自信」という感情も直接作ることは出来ません。

想像で、アイススケートをやります。実際にアイススケートのように颯爽と動いて、風を切ってる感覚を肌で感じてください。オートバイでもそうですが、風を切ってる感覚は気持ちのいいもので「イエーッ」という気分になります。
自分が世界一のスケート選手のようにカッコつけた滑り、舞い、表情、声を出してみて下さい。他の人がどうであろうと自分はこの滑りが気持ちいいんだ、「オレ最高!」というのを見つけるのです。
自分のテーマ曲を歌います。その場で勝手に作曲して無茶苦茶言葉でいいです。周りの人の声をかき消すぐらい大きな声で。
遠慮なく、躊躇なく、テレなく、やりたいように自由に。
ふと気付くと「いい気分」になっているものです。なっていない場合は、成功を求めすぎてるか、躊躇してるかです。

これをやりこんでいくと、キャラクターゼーションにも使えます。


正当化された無言のエチュード

エチュードにはいろんなやり方があります。
普通のエチュードは、設定を決めてセリフや筋を決めないでやることが多いと思いますが、よくある失敗は、
状況も相手役の事も感じていないのに、ベラベラしゃべって自分勝手に筋を進めてしまう事です。
そんなエチュードではやる意味がありません。
ここでは、「正当化された無言のエチュード」というものをやります。

例えば、設定は、ルームメイト同士が些細なけんかをして、しゃべる事無く、1週間が経ちました。
二人とも自分も悪かったなと反省していて出来れば仲直りしたいと思っていますが、相手はどう思っているのか分かりません。
けんかの前に予約していた温泉旅行が迫っています。2人とも温泉旅行に行きたいと思っていますがこのままでは行きにくいし、行っても楽しくありません。
こういう状況で、温泉旅行が2日後に迫ったある夜の2人の部屋でスタートです。
仲直りしてもいいし、けんかしてもいい、何も起こらなくてもいい。
気まずい空気があるのでベラベラしゃべる事はないでしょう。無言が続くかもしれません。
しかし、ばれないように相手を伺っています。機嫌が悪そうだったり、まだ怒っていそうだったら仲直りするのを諦めるかもしれません。いま、そこでどうするか判断してください。
そうやって、舞台で役として本当に考え、判断し、感じる事が大事です。

他の「正当化された無言のエチュード」として、「ラーメン屋」「駅」「お茶ちょうだい」などがあります。

 

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