演技訓練法 - スタニスラフスキー・システム、メソッド演技、M・チェーホフについて

1900年代はじめ、当時、世界でもトップレベルの劇団「モスクワ芸術座」の俳優・演出家・演技教師だったスタニスラフスキーによって、システムは作られました。
その後、練習法がアメリカに渡り、アクターズ・スタジオなどで「ザ・メソッド・アクティング」として独自の発展を続け、実践を通して今なお改良され続けています。

スタニスラフスキー・システム、メソッド演技とは、想像力に刺激を与え、自分自身の感覚・感情を呼び覚まし、日常的に見るような自然さで、作品の状況が求めてる的確な現実さ(リアルさ)で表現される演技への訓練法・アプローチ法です。

これらの訓練法の共通しているのは、「いかにして感情に刺激を与えるか」 というのを踏まえたうえで演技創造にアプローチしていることです。
勘違いして欲しくないのですが、「感情」が一番大事と言ってるのではありません。
感情と同じくらい行動も大事です。
つまり、演技とは「行動のともなった感情」で「感情のともなった行動」でないといけません。

 

主な効果

・「感情解放」 「想像の世界を信じる」をさまたげている、 理性・自意識・緊張が取れる
・状況やセリフを信じて、心が影響されやすくなる
・演技で使える、想像力・集中力が高まる
・本の読解力が上がり、表面的な解釈でなく、深層心理を気付く
・演技で陥ってしまう失敗の予防
・経験だけでは気付かない事に気付く
・自分に何が欠けていて、どんな訓練をすればいいか気付く
・癖を取り、個性を伸ばす
・演技・演劇・芸術・社会・人間についての認識が深まる
・キャラクターへの変身

「演技は習うと個性が無くなる」「システムやメソッドを少しやったことがあるが効果がない」と言う人がいますが、訓練の意図する点、方向性、注意する点は大丈夫でしたか?
集中力はどうでしたか?
一生懸命やりすぎていませんか?
余裕を持ってやらないと、心は何も感じません。
各段階で方向性、注意する点も変わっていきます。
いろんな訓練を取り入れる以前に、それらの訓練を吸収できるように躊躇・理性・自意識が取れた心身を持ってないと効果はありません。

システム、メソッドは俳優をより個性的にします。
訓練を続けていくうちに「自分はこの役をこう解釈し、こう表現したい」という自我が芽生える理由と、リラクゼーションなどの訓練で、「良い人を演じている自分、強がっている自分」など、普段からかぶっている仮面が取れ、本来の自分自身の価値観・表現に近づいていくからです。

「効果が無い」というのは、人それぞれの感じ方でいいと思いますが、私は最も効果的な訓練法だと思います。
ただ、少しやったぐらいで身に付くようなものではありません。根気強くやならければ。
簡単に判断されないほうが、 演技を成長させる上でいいと思います。

航海図無しで海を渡るより、航海図を持って渡った方が迷いにくい

このように道しるべになる地図だと思って下さい。
航海図(方法)を持っているからといっても、海を渡る(演技をする)のはやはり大変で、いろいろ注意することが多いものです。

興味のある方は入り口として
・ 「俳優の仕事」 スタニスラフスキー/著 、千田是也/訳
(「俳優修行」ではありません)
・ 「メソード演技」
「リー・ストラスバーグとアクターズ・スタジオの俳優たち」
・ 「“役を生きる”演技レッスン」 ウタ・ハーゲン/著
を読まれると参考になると思います。

 

「いかにして感情に刺激を与えるか」

スタニスラフスキー・システム、メソッド演技といっても直接、感情をつくる事は出来ません。
状況にもよりますが、例えば「悲しみ」といった感情にも、悔しさ・情けなさ・怒り・孤独さなどが微妙に混じっているものです。
直接 「悲しみ」 という感情をつくると一般的・表面的になり、微妙なものを表す事はできません。
もちろん、フリでもムリです。では、これらの方法で何ができるのでしょう?

想像力・過去の体験・身体的行動」などで心に刺激を与え、作品という想像の
世界を信じて共感しやすくし、自分自身の本当のリアリティー・感情が自然に溢れてくるようにします。

その為の想像力・想像したものを信じる力・信じたものに影響される心身・集中力・リラックス・繊細さ・感情解放・注意の方向などの訓練の方法です。

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